紀伊風土記の丘所蔵「いぬはりこ」(江戸時代の張子)

当該資料は和歌山県立紀伊風土記の丘所蔵の松島コレクションの一つ。松島コレクションは、戦前和歌山の郷土玩具愛好運動のリーダーであった松島藤太郎氏が収集した郷土玩具。収集対象は国内に加え、中国や台湾、ミクロネシアにまで及びました。残念ながら、コレクションの大半は戦災で失われています。

本資料は、木製の箱に2点の犬型の紙製の小物入れが納められ、蓋の表面には「いぬはりこ」、裏面には「文化十一年/戌三月吉日」と墨で記されています。この箱書から、本資料は文化十一年(1814)には存在していたと考えられます。

いぬはりこは、顔は幼児、身体は伏せた犬の姿に作られた紙製の小物入れで、明治35年に刊行された清水晴風著『うなゐのとも』2巻には、宿直犬(とのゐいぬ)、御伽犬(おときいぬ)、犬箱とも呼ばれるとあります。

左右で雌雄に別れており、向かって右が雄、左が雌だと考えられ、雄には魔除けの札、雌には白粉を納めました。犬は安産・多産で子どもが丈夫に育つということから産室に飾られ、のちに幼児の魔除けと考えられるようになり、雛道具の一つに加えられるようになりました。

 江戸時代の珍しい犬型張子を速報展示しますので是非ともご覧いただければ幸いです。

1 展示場所:和歌山県立風土記の丘 資料館常設展示内

2 展示期間:平成21年6月5日(金)〜6月26日(金)


        いぬはりこ(一対)            いぬはりこ(雌)              いぬはりこ(雄)


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