大日山35号墳

標高141mの大日山山頂に立地する。
昭和41年(1966)と、平成15年(2003)から三ヶ年にわたり調査が実施された。
墳丘は盾形の基壇をもつ二段築成の前方後円墳。
墳長は86m、基壇を含む全長は105mに及ぶ和歌山県最大級の前方後円墳である。
基壇や墳丘の各段の平坦面は円筒埴輪列で囲まれる。
東西の造出からは飲食物供献を意味する須恵器とともに多様な形象埴輪群が出土。
翼を広げた鳥や両面人物、そして大王墓と共通した特徴をもつ高床の家などの埴輪を含む。
埋葬施設は後円部西側に開口する全長七m以上の岩橋型横穴式石室。
玄室は長さ4.3m、高さ2.8mで、2枚の板石を水平に懸架する石棚と水平の石梁をもつ。
石室からは装身具、武器、武具、馬具、農工具の豊富な副葬品が出土した。
6世紀前半に築造された紀ノ川下流域の地域首長墓と考えられる。
なお、翼を広げた鳥形埴輪や両面人物埴輪は和歌山県大日山35号墳出土品として平成28年に重要文化財に指定された。



大日山35号墳


大日山35号墳石室入口


大日山35号墳 玄室


大日山35号墳 東造出


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