和歌山県指定有形民俗文化財 日高地域の地曳網漁用具及び和船 (平成19年3月指定)

  

 
○指定物件の内容 
 
  ・用具 87点
   
 (漁具43点、漁具製作・修理用具11点、和船関係用具26点、運搬・加工用具7点)

  ・文献資料 3点
 (日高町産湯地区の網元経営資料)

  ・和船 (アミブネ) 1艘


  

  
 
 地曳き網漁(じびきあみりょう)は、沿岸に近づいてくる魚の群れ(ナブラ)を、アミブネとよばれる2艘の和船が沖合に出て、同一場所から左右に分かれて網を置きながら魚群を包囲し、浜に集まった地域の人たちがヒキコとなり、協力して網の引き綱を陸からひいて魚を捕るという漁法です。

 本資料は、県中部の日高町産湯海岸で操業していた網元「新網」が、平成5年まで使用していた漁の道具一式と関連資料で、現在その一部を和船収蔵施設で保存・展示しています。

  

 地曳網漁は、紀伊国の漁民が江戸時代から営んできた、代表的な漁業技術の一つです。

 紀州の網漁の歴史は全国的にみても早く、中世末から近世初頭には効率的に漁獲する高度な技術を確立していたと考えられます。和歌山県の入り組んだ海岸の砂浜では、村人や漁師の集団によって、小規模な地曳き網漁が行われました。
 とくに県中部の日高郡の沿岸地域では、昭和20年代後半(1950年ごろ)まで、ほぼすべての集落で漁が盛んに行われていました。

 地曳き網で捕れる魚は、季節や地域によってさまざまあり、近年は魚の種類をしぼって、イワシ類(春〜夏期)と、イカ(梅雨ごろ)、ハマチ(冬期)などを捕っています。かつては、タイやタチウオも地曳き網で狙いました。



【和船(アミブネ)について】

 昭和38年(1963)に造船
 船の大きさ:全長 11.05b/最大幅 2.24b/  船体部の高さ 0.9b   
 船の材質 :スギ、ヒノキ、マツ

和船計測図















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